PPPP

ペンギンプルペイルパイルズ「ワンマン・ショー」を、み、ま、し、た。(舌かんだ。

観劇計画は、3ヶ月前くらいに決めることが多く、手帳に書き込まれた劇団名と、劇場名、開始時間のみを信じて行動することになっているので、今日の芝居に誰が出るのかとか、一体いくらなのかとかをきちんと確かめずに行くこともあるのです。(バブリー)

今回がまさにそれで、手帳には「倉持裕 IMP 2じ」としか・・・。なぜ、わたしはこの作品がみたかったのかということすらわからなくて、開演時間ぎりぎりに会場に着いたため、まったくの予備知識なく観劇するハメになりました。

でも、いや、よかった。なんか、鴻上尚史のトランスを彷彿とさせる作品でした。現実にありそうで、なさそうな、1mmズレたらまったく理解のできない危うさのある、不安な気持ちにさせる芝居とでもいいましょうか。もがいてももがいても報われない「懸賞マニア」の精神世界に劇場中が飲み込まれ、いびつな空間をつくりあげていました。

後からこの作品が2004年に岸田國士戯曲賞をとったんだということを思い出し、パンフレットでは岩松了野田秀樹が絶賛していました。あーなるほど。だからわたしはこれみたかったんだ。

小島聖の声と、肢体が異様に美しく舞台にも映えて初めて彼女のよさを知りました。映画のちょい役とかだと薄気味悪いほどの美女なので、じっくりと生で感じると、とてもいい女優でした。それに比べて水野美紀は「え、出てたの?あれ、水野美紀だったの?」みたいなフツウ感でショックでした。

舞台は人間をはだかにするからこわくておもしろいんだよなあ

と久々に感じた芝居でした。