劇団「野の上」ふすまとぐち

INDEPENDENTの一人芝居に関わることで知り合った役者さんが最近メキメキと次々とこれでもかと、いい芝居をするのが、自分のことのようにうれしい。

中でも劇団野の上の「ふすまとぐち」は、木曜の夜「明日もがんばってくださいね」と言って、劇場を後にしたにも関わらず、なぜか、なぜだか、翌日も客席に座ってしまっていたのである。ふだんならば金曜の夜は呑んでいたいのである。でも、呑むより前にやらなければならないことがある気がして、同僚の先輩を巻き込んでみたのである。


やりすぎ感満載の嫁姑バトル、あやしすぎの新興宗教、生意気すぎるガキ。
「こんな奴、いねーよ」と、極端さに大笑いしつつも、どこかバカにしきれない「いたーい」ところをついてくるのが憎らしい。そして最後には、すこーし心に灯をともしてくれる。素直にいやー、いいもんみたなーと思える芝居って、あんまない。私の中では最近。

初日は笑った。
2日目は泣けた。

まるで生き物のようにおおいかぶさる感情のうねりをコントロールしながら、真摯に直球を、津軽弁で投げかけてくる役者の技量と魅力は相変わらず。

でも、それだけじゃなかろーな。山田百次という人を中心とした、ちょっと脱力系&愛情むきだし系の世界観に共感する人たちのパワーが大きくなってるのを感じた。客しかり、スタッフしかり。内輪ってことじゃなくてね。

バファリンの半分は愛情でできてます、だっけ?あれみたいな。
片棒を担ぎたくなるんだよね。


東京は7月14日〜16日。プロト・シアターにて。

私の言ってる意味がわからない人はぜひ自分の目とこころで確かめてくるがよいよ。