MONOです。芝居ラッシュ

MONOみました。2月、3月はいい芝居ラッシュでうれしいです。

「地獄でございます」

いい味出してた女優が何人かいた時期もあったんだけど、結局今は作家の土田さん含めて役者は男5人。なんでだろう。まあ、こういう男たちと、始終一緒にいると、稽古場でUFOとかすすりながらふと「わたしって、このままでいいんだろうか・・・」と思ってしまった気持ちは、なんとなく、わからなくもない。気づいたらアハハ40歳でした、みたいな劇団。でも、大人計画ほどオシャレじゃないし、ポップじゃないし、どうしよう?うーん、おれらにできる、おもろい芝居を誠実につくろうっていう、そのスタンスがなんだかととととととても、愛くるしいというか、愛さずにはいられないおじさんたちなのです。

舞台が進むにつれて、どの役者にも恋してしまいそうな、愛してしまいそうな、そんな、演技をするんですよ。みんな。なんだろう、なんだろう、この劇団の人間は。だ、だめだ・・・完全にやられました。
(以下、ネタバレ注意。)
死んだことに、まだ気づいていない5人の男たちの物語。サウナに来たとばかり思っていたが、実は来た記憶が曖昧で、よくよく思い出していくと5人の死に方は、3人が同じ車に乗ってて交通事故、その3人の車に轢かれた自転車男、その車を貸したレンタカー屋の男は、自転車男のいたずらによるガケ崩れで死亡。とお互い密接に死因に関係しており、罪をなすりつけあうというコメディ。途中で、一人だけが助かるかもという「蜘蛛の糸」状態になったときの性格戦争が、とても人間的で、見入ってしまった。さらに5人にはそれぞれ担当の鬼がいて(笑)、その鬼たちも、シーンごとに彼らが演じる。鬼社会も、現実と変わらないダメ会社みたいな縮図。

うまいなあ、脚本が。
けど、それにも増して、この人たちがやるから、おもしろいんだよなあ。
この土田英生の書くセリフの息の吐き方、セリフの語尾の音は、彼らでないとダメ。

彼らの作品「約三十の嘘」が映画化されたとき、中谷美紀や、椎名桔平が演じたのを見て、それを痛感した。

劇団が、劇団であることの意味を感じる。強く。