デラシネ

内田淳子さんという女優さんが好きです。きっかけは高校の時にみにいった松田正隆さんの「月の岬」というお芝居。役者って繊細な人が多い中、必要以上にナーバスでセンチメンタルな空気が漂うともうそこでごちそうさまって感じがしてしまう。基本的に自己顕示欲のカタマリである俳優が表現を誤ると、途端にナルシストでオーバーリアクションな恥知らずな人になってしまう。内田さんはその辺りの平均台を、背筋を伸ばして細い足でキレイに渡っている人、という感じ。

ひさびさに芝居みまくってますが今日は「でらシネ」というダンサーと俳優のコラボ舞台に内田さんが出演されることを知り、観に行った。

コンテンポラリーダンスという分野に触れるのは初めてでどうみていいかもわからず、とにかく絵をみる感じで眺めていた。確かに内田さんはいた。やっぱ素敵だった。でもなんかストーリーに一貫性がなくて全体としては微妙な舞台でした。終演後のアフタートークでの演出家とゲストの松田正隆さんとの会話がまったく噛み合っておらず、なんだかおかしな感じがした。「観劇後に残る違和感を目指した」らしい。

演劇も、絵画も、ダンスも表現の仕方は違うけど感動するポイントは同じなはず。今日のはダンスが「演劇とは相容れないもの」で終わっててちょっと残念だったなあ。

周りのなんばのネオンのどぎつさの方が芸術的でした。