ビバ松本さん

keaton維新派、といふ私が腹の底から応援している劇団が4年ぶりに南港で公演をやると聞きつけ、会社どころではなく、すたこらと夜は無人都市コスモスクエアへ。ラッキーなことに千秋楽のチケットがとれまして。

松本雄吉さんとゆうじいさんが指揮者であるが、何せがらんどうに突然緻密かつ壮大な舞台装置と屋台村が現れる。基本的にものすごい信念と執念がないとここの役者や裏方なんぞやってられないと思う。大人数の役者(みんな小学生か30歳くらいに見える)が台詞とも歌とも区別のつかぬ音を発し、洗練されたマスゲームのような動きをただただ繰り広げる光景はまさに圧巻で、ラストシーンは南港の夜景と相俟って、有無を言わせぬ非常な風景を作り出す。
初めてみたとき、ただ涙が出た。このようなアートを作り出す人たちがこの世の中にいるのだなあと思うだけで神への感謝にも似た涙。
屋台村に知り合いがいるが、彼女は数年来同じ場所で相も変わらずカバブを売り続けている。素性はよく知らない、という言葉の似合う人達の巣窟。芝居が終われば忽然と空き地に戻る。おそらくこれからも10月毛布にくるまりながら、ひっそり応援していくだろう。1年周期のライフワークである。