映画監督の前でカオナシ

映画監督のインタビューに遅刻。
いや正確には遅刻しそうになった。

梅田駅から太融寺まで10分でダッシュ
史上最低に運痴な私が。

監督とは、三浦大輔さん。演劇界の期待の星でもあり、前から注目していた人であり、つまり私としては、気合いの入ったインタビューだったわけだが、何度も言うが遅刻しかけた。


部屋に通されたとたん、汗ダラアアアアやのに暖房ブオオオオ。
「では原作のどういう部分に共感されて映画化を?」

ハンカチを手に冷静を装おってインタビューはじめたんはええけど汗止まらんがな。

「監督が役者に求めるものとは…」ダラアアアア

「…めっちゃ汗出てますよ」
気づかれた。

「だ、大丈夫です」

「マ、マス…カラがすごいことになってますよ」

ドエエエ

「すみません」

「いや、拭かれた方が…」

そんなに…?

コンパクトみると「千と千尋」のカオナシがそこにいた。


「……うわー…、すみません」

二日酔いでも徹夜でも見たことない、ホラーみたいな私の紛れもなく、顔。

なんかプチッて切れた。渦に落ちた。ハンカチもよう見たらネコの尻尾だけびよーんとはみ出た意味わからんやつ。

いつ買った?これ。林さんの餞別返しや。

おもろいがな。


以後、どんなに真剣な問いをしても「カオナシがしゃべってる…カオナシが…カオナシが…アハハ…アハハ…」と幽体離脱状態。

監督はイケメンでした。

監督は流暢でした。

そして監督は半笑いを隠す微笑でした。

私が逆の立場なら、そんな大人な対応はできません。
また一歩、小林麻央から遠ざかりました。