一人で京都市動物園。
という罰ゲームのような取材で、身も心も冷えきった。
詳しくは言えないけど、まあ「どこまでやれるか」というお一人さま的な企画。
言い出しっぺなのだから文句いえない。
で、その帰りに、どすグレーな心を洗い流してくれたのが「Dr.パルナサスの鏡」。
試写を見逃したので、絶対初日に観ようと決めてた。
見世物小屋一座の物語。
永遠の命と引き換えに自分の娘が16歳になったら悪魔に売り飛ばす契約をしてしまった1000歳のどうしようもないオヤジと、
その娘&記憶そーしつの青年(これをヒース・レジャーが死ぬ前演じてた)。
「わかるようでわからない感」「貧しさが醸し出すドナドナ感」「それでもかすかな希望を求めずにはいられない感」。
匂いでいうと、それこそ動物園のような、あんまり嗅ぎたくない種類の奇妙さ。
好きなテイストがすべて詰まってた。
途中うとうとしてしまったシーンもあったけど(寝たんかい)、目の前に広がるのは、ぐにゃりと歪んだ極彩色の夢の世界。
つじつまが合っている部分とあっていない部分の配置が絶妙で、ほんとうにほんとうに土下座ものです。
好きです、素直に。
劇団でいうと天井桟敷とか紅テントとか、そっち系かなあ。
でももっともっとお金がかかっているはずだし、センスはいいけど。
観に行く人は、エンドロールの最後の最後まで席を立たないでください。