親知らずのテーマ

無視っていた親知らずが、隣の永久歯に侵入し、虫歯を見舞われ太刀打ちできなくなったため、15年ぶりに歯医者へ。

「イケメン」「痛くない」というフレコミの歯医者を先輩から紹介してもらう。

虫歯の神経を抜くのと、抜歯を同時にすることになった。

「当日は、気楽にね、iPodでも聴きながらね」サラサラヘアーに縁なし眼鏡、真っ白の歯。布施博を300倍くらいかっこよくさせたカレがいう。

キュイイイイーン、ゴリゴリゴリ、ズズズー。
に対抗できるのは、斉藤和義なのかレッチリなのか。迷っているうちに、何の前触れもなく麻酔が打たれた。アイマスクをされているため、手さぐりでオンすると、斉藤和義のバラードがはじまった。しまった。音量を大きくしても微妙にしっとりしている。しかも、ちょっと音漏れしたら恥ずかしい。うがうがーと思っているうちに、神経が終了した。

休憩をはさんで、やはり抜歯はうるさい系でいこうと思い、グリーン・デイにした。恐ろしいときには音量を最大にし、イケメンの頑張りもあって、意外と早く終わった。

すべてが終了し、診療室に流れる有線のドリカムが耳に入ってきたとたん、一番リラックスした自分に気づく。

iPodは本当に必要だったのか。