宮島ひとり。
海に浮かぶあの鳥居が見たい
朝、起きて、そう思ったので、宮島に行くことにした。
とりあえず休みはとったものの、まったく何をするか決めてなかった月曜日。
普段は前を通り過ぎている新幹線の改札をくぐったとき、まったく人に会わない、いいかげんな一人旅は久しぶりだなあ、と思う。
とりあえず、厳島神社見て、ビールを飲んで、のんびりしよ。
最小限の荷物で、会社には絶対着て行けないようなぼろぼろのデニムはいて、広島駅から、ローカル線とか連絡船にのってるうちに、なんかコーフンしてきた。
「ちょっと待って」とか
「どうする?」とか
言わなくていいのはラク。
誰も私を知らないし、話かけてもこない!と浮かれてたら「シャッター押してもらえますか?」と何組かに声をかけられ、しばらく「写真おばさん」に徹する。
ふらふらと入った店の「あなごめし」とか「かき氷」とかが死ぬほどおいしくて、なんかここ数日ココロが疲弊していたので、涙が出そうになるのを、煙草でごまかす。
千畳閣という、もんすごい広い寺があって、その中で昼寝とかする。アホみたいにリラックスしてしまう。
気づくと4時半!
帰りは広電で帰ったので、久々に原爆ドームを目にする。これが完全にとけ込んでいるこの街の夕暮れはどことなく、とろんとした悲しさと圧倒的な強さをまとっていて、心がすくんでしまう。でもその感じは決して嫌いじゃない、とほろ酔いの頭で考える(おっさんか)。
「こしあん」嫌いな我が家のために「つぶあん」のもみじまんじゅうと、
「愛」とでっかく書かれたしゃもじをなんとなく買って帰る。
そう、愛だな、あい。