若冲。Jakuchu.ジャクチュー

初めて名前を聞いたときは、大道芸人かなんかだと思いました。

つーか、一ヶ月そこらの展覧会で10万人の動員ってありえなくない?ということで、ミーハー&やじ馬精神で行ってまいりました「若冲展」。そもそも2時間待ちは覚悟。と先輩(母親)に言われたので、開館の 30分前に行くともうすでに、60分待ちの人だかり。まじで?!

ネズミーランドのように、ビッグサンダーマウンテンに乗れるわけでも、シンデレラ城があるわけでもなんでもないのに、です。
仏(釈迦三尊像)だとか、ニワトリだとか、牡丹の絵の掛け軸を観るためにです。

芝居と違って、最終日だからと言って出来がいいわけでも、
「話題の最新作」というわけでもないのに、です。

それはそれは、私のようなうら若き単身女性をはじめ、女子高生、大学生カップル、ムラカミ系オタクなどたくさんおりましたよ、相国寺。たかが掛け軸の展覧会なのに、ですよ。

結論から言うと、確かに美しくはありました。嫌いじゃないです。でも、激しく何かをゆさぶられたかと言われると、微妙。帰りの、ショップで「あ、Tシャツ買おっかな〜」くらい。なんつーか、ポップなんですよね。いいことだけど。

伊藤若冲というおっさんは、とにかく絵が好きで好きで描き続け、まあ、当時にしては恵まれた人で芸術家特有の不幸や奇怪な事件に巻き込まれることもなく一生を終えた人で、まあその、絵も楽観的というか、コンスタントというか、テンション変わらずに、ものごとと向き合っていける「愉快なほうのAB型」的な感じの印象を受けました。

その境遇や、人となりについては非常に興味がわいた。

でもなんで、あんなにたくさんの人々の心をつかんでるんだろう。
120年ぶりだから?多分今後はみることはできないから?
いや、「みとかなきゃ症候群」以外の人の意見がとても聞きたい。

それともそれとも私は、キレイなモノをみすぎているんだろか?

帰り道、パパジョンズで大学時代よく食べた、ニューヨークチーズケーキを5年ぶりに崩しながら考えた。