斉藤和義と「モルダウの流れ」

斎藤和義のニューアルバムの中に「モルダウの流れ」という曲が入っている。
何をかくそう、これはわたしの青春の楽曲である。ボヘミアの民謡かなんかです。
中学時代の合唱コンクールの課題曲だった。各クラス対抗で、まず「モルダウ」を歌ってから、自由曲にうつるのである。
ただこの自由曲というのがくせ者で、どういうわけかオフコースの「さよなら」とか、チャゲ&飛鳥の「YAH YAH YAH」とかB'zの「ALONE」、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、ユーミンの「voyager」とか、「少年時代」とかとかとか。古いんだか新しいんだかまったくわからないラインナップ。「おおシャンゼリゼ」というナンパをテーマにした曲もありました。

「さよなら」を歌ったクラスがとても下手で「♪もう、終わりだね」という歌い出しなのだが、ほんとにその時点で終わってるなあと思った人たちからどよめきが起こったりしていた。
さらに、想像してみてほしい。
14歳や15歳が混声4部合唱で「♪今からそいつを、これからそいつを、殴りにいこうかーヤーヤヤーヤヤヤヤー」と、歌ってる姿を。ソプラノならまだしも、アルトで「♪なーぐりーにいこおかー」と歌わされる。今ならきっと教育委員会の糾弾を免れることはできないだろう。

とにかく混声合唱においてメロディを歌わせてもらえなかった人間はこんなになってしまうのである。

それはそうと、斉藤和義モルダウ。いいじゃないですか。思わず通勤電車の中で、下のパートをアルトで歌ってしまい、斉藤さんとハモったりして感極まりました。はじめて、アルトの存在意義をかみしめました。