高校演劇に思う

今日はちょっと高校演劇についてまじめに語らせてもらう。カテゴライズするほどのものでもない、というのは大きな間違いである。自分がその立場にいた頃には気づかなかったのだが。

友人が関わっていたこともあり、今日ひさびさに近畿大会(地区大会、県下の大会を勝ち抜いてきた高校が出場)をのぞいて、シャウトしそうになった。泣ける、ほんとうに。甲子園マニアのおっさんの気持ちが、わかる。

兵庫代表、滝川第二高校「君死にたまふことなかれ」

戦時下の姉弟漫才コンビの話。弟と恋人に赤紙がくる。出征前の最後の舞台で姉はネタにまぎれこませて「君死にたまふことなかれ」の歌を熱唱する。憲兵に差し押さえられたところで客席から「最後まで歌わせてやれ」という叫びが飛ぶ。叫びはだんだん大きくなる。最後までネタできちんと笑わせながらも涙腺を緩ませるというワザをかけられる。完璧にノックアウト、である。

高校演劇は、たまにものすごい球を投げてくる。その玉石混交ぶりがたまらない。地区大会からみてたらなおさら。実は脚本の良し悪しって、あまり関係なかったりする。ものすごく些細な空気のブレで一気に伸びたり、ダメになったりする。客席の空気も芝居の出来の半分を担う。プロの舞台と違うのはいい意味で「お約束」が存在しないこと。

全国大会というのは、甲子園よりも出場が難しい。わたしの母校は来年「ひとり芝居」で全国大会に出場するという。部員が一人しかいない、というシンプルな理由で。今からゾクゾクしている。

この世界と縁を切ることはないだろうと痛感。8月の夏休みは、全国大会鑑賞のために使う。