砂と兵隊

今日は青年団新作「砂と兵隊」です。

一面白い砂の上、ホフク前進でひたすら行軍する兵たち、蒸発した母親を探しにきた家族、新婚旅行のカップルなどが交錯する。不条理劇という紹介だったが、本当に社会の縮図をみた気がして、震えた。

「ゴールの見えない行進」「敵をみたことのない20代」「危険を予知しない軽さ」「家族の絆の希薄」
それぞれがそれぞれに会話を重ねるうち、危険なほどの世代間ギャップや、崩壊寸前の従来の価値観など「現代の病」がじんわりうかびあがってくる。

演劇はこういうことを短時間で伝えられるから強い。
説教くさくなってしまうところを、なんてことない会話に紛れこませて観る側の背筋をなぞってくる。

平田オリザのすごさは、新しさにある。