ズギャンダール

どーせ誰も見てないだろう、
と思ってすることには用心した方がいい。
ぐでんぐでんに酔っ払って電車を一駅乗り過ごし、チッとか言って頭を掻きながら逆側のホームに行くまでを社内の人間にみられていたり、「この前、京都でお芝居出てらっしゃいましたよね」と梅田の化粧品のカウンターでたずねられたり。(深夜の半裸公演をみられたのでは!と、とっさに土曜ですか!と頓狂な声が出た)
応募ハガキの類にも似た恥かしさがある。私はその抽選をしたりすることがあるのだが、お彼岸をテーマにした、たかがお菓子のプレゼントで「夫が死に、息子は登校拒否、祖母は入院・・・」など不幸さを詠ったものが俄然多い。ちゃんと読んでるからね、ああゆうのは。たまに回覧してるから。
けれどやはり無知な若かりし頃、自分も観劇後のアンケートに、贔屓の役者さんへラブレターめいたものをピンクの太ペンで「好き、すきっ大好きッ結婚したい」などと書き散らし、プリクラを貼って毎回提出していた。本当にその頃は、読まれはしないだろうと思ってたのだ。(後日同劇団に入団)